せかいさんを見ていると、とてもストイックであるように見えます。
「見えます」と表現はしましたが、実際かなりストイックです。
しかしご本人は自身のことを「のんきにストイック」であると言います。血を吐くようなレベルで頑張っている意識はそれほどないとのこと。
血を吐くことなくストイックにできるとは、なんとうらやましいことではありませんか。となると、やはりこのような業態、システム、他諸々、他の人にはマネできずせかいさんにしかできないものなのではないかと思い、失礼を承知ながらも質問をぶつけてみました。
『のんきにストイックと言いますが、それができること自体が才能なのではないでしょうか?』
するとせかいさんはこう言いました。
『はい、そうだと思います。』
ここまで言い切られてしまうと、身もフタもないのでは・・・とうろたえているところに、さらにこのように続けました。
『人それぞれだと思います。』
人それぞれ、つまりストイックも1つの才能だけど、そうじゃない才能を持つ人もいる。それぞれが自分の才能を活かして走っていけばいいということです。
確かに、人それぞれ得意なことは違います。自分が得意だからと他人に無理強いしなくても、みんなそれぞれが得意なことで勝負すれば良い。
それは私が飲食店のコンサルティングをしていても感じるところであります。飲食店では、作業が早い人が仕事のできる人、という感覚を持つ人が多いように感じます。
しかし、作業が遅くても仕事が丁寧だったり、他の人が気づかないようなところによく気がついたり、人それぞれ能力は違います。
スタッフ全員に自分と同じようなレベルを求めるのではなく、その人の特性を理解した上で適材適所に仕事を振り分けていけば、全員がチカラを発揮できるお店になれるはずです。
スタッフの能力を的確に見極めることは難しいかもしれません。でも、よく知ろうと話しかけ、見極めようと努力し、お店のみんなのことを良く観察することはできると思います。
あなたができることはみんなができることではありません。特に厳しい修業の末に独立したオーナー料理人さんの体には、独立できるだけの技術、根性、知識が詰まっているのです。
新人の子の動きが悪いからと言って、使えないヤツ…と嫌いにならないでください。
あなたの基準は、あなたにしかできない特別なものだと思ってください。その上で、それぞれのスタッフが得意なことを見つけながら、大事なことは時間をかけて教えていってあげてください。
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